外を見ると、雪が音もなく降っている。

隣の老人ホームの屋上を見るとすでに積もりかけている。
寮のトイレで後輩に会うと、実家に帰らないのかと聞かれる。
「ああ、帰るよ」
と答えると、
「早く帰らないと、新幹線止まりますよ」
と言われる。

ああ、それもそうだ。

吹雪の中、最寄り駅へ。
歩いていると、コートの端に雪がまとわりついてくる。
手袋をはずしてコートの端をぺしぺしとたたく。

今度は手袋に雪がついてくる。

しょうがないので手袋同士をぺしぺしと。雪が舞って顔にかかる。

冷たい。